地球環境の悪化が問いただされている現代ですが、人類が生存していく上で不可欠な食料を生み出してくれる大地も問題を抱えています。
化学肥料や農薬の大量使用により地力が衰え、作物が、量、質ともに低下してきているのです。
化学肥料や農薬は土中の微生物だけでは地力が回復できないほど土壌を傷めてしまいます。
このような現代の問題をはやくから予見し研究された「微生物農法」により昭和22年にラクトバチルスは開発されました。
未熟な有機物を味方にするか敵にするかで農業も畜産も天と地の差があります。
有機物が醗酵すれば善、腐敗すれば悪、どちらも地球規模では有機物の循環に変わりはありませんが、ラクトバチルス菌群は醗酵のみの働きです。

醗酵とは、生命のリサイクルです。

ラクトバチルス菌群は、生の有機物や畜産糞尿を腐敗ガスを出さずに地力や栄養に転化し、他の土壌有効微生物や家畜腸内細菌との共棲連合により土壌や腸内の環境を好転補強します。食品・酒の醗酵やサイレージの醗酵に代表され、主に嫌気的条件下でおこなわれます。いわばエネルギーの創造です。
ラクトバチルス菌群はこの醗酵をさらに強力にするため菌濃度と活性を高めたのです。
Q. なぜ有害なガスを生成せず醗酵できるか?
A. 通常、動物糞尿は分解において好気的な酸化によりアンモニア等のガスを生成する腐敗分解が行われるが、ラクトバチルス菌群は全て無胞子の通性嫌気性菌で酸素を消耗しない状態でアルコールや有機酸を生成する。これらは腐敗を防止する効果を有する。つまり腐敗菌であるクロストリジウム、メタン生成菌、硫酸還元菌が増殖する条件である絶対嫌気状態をつくらないと推察する。
故に、アンモニア・メタン等の有毒なガスあるいは低級脂肪酸・アミン・硫化水素などの化合物が生成されない。
Q. 堆肥を作る時、なぜ切返しがいらないか?
A. 酸化方式で好気性菌を働かせ各種ガスを揮散させ、分解を早める方法が常だが、ラクトバチルス菌群は酸素を必要としないためにC/N比と水分(50〜60%)を調整するだけで良い。
もともと醗酵温度は動物の体内温度と同じであり、また醗酵の工程そのものがエネルギー獲得の瞬間と連結している。
醗酵力の強い菌が添加されれば、土中醗酵堆肥がもっとも自然な形であり、他の土壌微生物もよみがえり菌叢が厚くなる。
サイレージの醗酵飼料は形こそ生のようだが、切り返しもせずに醗酵している。これが家畜腸内で醗酵させる前準備になる。
切り返しは酸素を補給し分解を早めるためのもので間違いではない。できれば、充分醗酵熟成した後で切り返したほうが良い。
Q. なぜ土壌深層部の有機物を醗酵できるか?
A. 通常、坑木などは地表より5〜10cmぐらいが腐る。(好気的性担子菌・糸状菌による)ラクトバチルス菌群は表層、中層、下層に分布できる。したがって耕盤に堆積した有機物を醗酵し有効な土壌圏を拡大、作物生育後半の腐敗細菌性病害を抑止する。
団粒構造を下層に広げることにより、保水・通水ともに良くなる。
Q. 大量な有機物を投入してもなぜチッソ肥効がゆるやかか?
A. 腐植の生成によるCECの拡大、乳酸塩・炭酸塩の合成、菌体蛋白の増加(有効土壌菌の増加)により、遊離している陰イオン陽イオンが少なくなる→ECが下がる。作物が選択吸収する状態になり、地力で育つ体系ができあがる。硝酸態チッソが過剰に吸収されず、したがって牛などの亜硝酸の害が減少する。
Q. なぜ腐敗性細菌が抑止できるか?
A. 上記説明によりご理解いただけると思いますが、ラクトバチルス菌群は醗酵初期に乳酸菌により乳酸を生成し静菌し(PHを下げる)酵母の増殖の条件を作ります。これが食品の醗酵です。
食品と農業・畜産に関する有機物の循環は本質的に同じです。